雑誌で見かけたリアド、ホテル予約サイトでみたインテリアが素敵なリアド、一度は泊まってみたい!と誰もが思う。
リアドとはモロッコならではの宿の形態。邸宅ホテルともよばれる。近代的ホテルに宿泊するのはカサブランカなどの都会にして、マラケシュ、フェズのお泊りは、どちらか一方だけでもリアド滞在にすると、モロッコ旅行が断然思い出深くなります。
そもそもリアドとは?
リアドとはもともと中庭(パティオ)のある家のこと。緑を配した中庭を囲むように部屋が3~4つあるのが普通。
リアドの規模は、邸宅というものからパレス(宮殿)とよんだ方が適切な大規模なものまでさまざま。時に見かけるDar(アラビア語で家)は、中庭がないタイプの小さめの家とイメージしましょう。
この場合、宿泊施設として規模はこじんまりしたもので、 足を踏み入れた時のWOW!はないかもしれません。
かわいい~Darはもちろんいろいろあります。
日本の旅行会社でもリアド予約を扱わないところもあります、それにはやはり扱いにくい理由があるのです。予約前に一読を!
- リアドはいわゆる近代的ホテルのもつ一般的サービスすべてを期待する場所ではない、ということ。(各部屋に電話があるとは限らず、バスタブ・テレビもあったりなかったり、ルームサービスなどもあるとは限らない)
- 夜間にリアドにチェックインする場合、夜勤のスタッフの数が足りず、道に迷っても迎えに来てくれない場合も。自力でたどり着くのが難しい場合、遅くなる場合は、要問合せ。
- ハマム・ジャグジーありと謳っていても、実際は故障中だったりする、事前確認を。
- リアドでの支払いはクレジットカードはほとんど無理と考えた方が安全。カードがOKと言われても、いざ支払いの段階で、機械の調子が悪く、現金の持ち合わせがなく、キャッシングのためにATMに、または両替所に走るはめになることも。両替が帰国前日だったりすると、余ったDirhamの取り扱いにも困ることに。
- リアドにハマムがあるか?小さいリアドだと事前予約が必要な場合がほとんど。
そのハマムは薪を燃やして温めるタイプOR電気で温めるタイプか?トラディショナルな薪方式がやはりベター - HPの掲載写真のイメージより部屋が小さい場合も。リアドの部屋は一般的にホテルより小さい。気になるなら大きさ(㎡)を事前確認。
- バスタブ付きが希望の場合も事前にしつこくリクエスト。
- スタッフが手薄になる時間帯(早朝、夜など)はアラビア語、フランス語しか解さないスタッフが対応することも。一度英語で問合せメールを出し、そのリスポンスの速さ、適切さをみるのもおすすめ。
- リアドの電話はつながるか、マネージメントが弱いところはリアドの電話番号が携帯のみ、しかも電波が悪くいつでも繋がるとは思わない方が良いです
- マラケシュ旧市街にリアドは300も500もある(人によって数字が異なる、200の差異!)。そのうち150ぐらいが宿業の許可を受けたリアドで、のこりは無許可。もちろん宿泊は宿泊施設として許可を受けているところを。
- リアドHP掲載の写真と実際はちょっと違う?予約サイトに今がセールなどと表示されていてモロッコ観光の繁忙期に関わらず空室があるリアドは疑った方がいいかも。(モロッコ旅行のハイシーズンは春先、秋、クリスマス休暇から新年にかけて)
- ファミリーフレンドリーか?スタイリッシュなリアドや大人の空間を売りにしているオーナーのところは小さい子供の同伴不可ということも。エレベーター付きのリアドは少ない、階段も狭く、傾斜のきつい場合もある。足の悪いかたなどは事前に確認。
- リアドオーナーの強いこだわりがありすぎるところ(スノッブすぎる所)は避けた方が良いかも。リアドオーナーはヨーロッパ人や外国人の場合が非常に多いです、そういう所ではヨーロッパのマナーを期待されると思ってよい。
- リアドがある地区の治安はどうか、どういったエリアなのか?一般的に、KASBAH地区や、フナ広場周辺だと安心。また日本の雑誌にでているような高級(有名)リアドの周辺は地域的にもおそらく問題がないので、それを参考にする。
- 旧市街のどこにあるのか、アクセスは良いのか、まず立地チェック。
ぐるぐる迷路がつづく旧市街の奥深き場所にあるリアドに、自力でスーツケースを転がしながらたどり着けるか?
夜のフナ広場を楽しんだ後、暗闇のなか自力で帰れるのか。リアドの標識が出していないところも多く、なにぶんリアドは星の数ほどあるので、地元の人に聞いても知らないという答えがかえってくることも。 - 冷暖房が効かないとタイル張りのリアドでのシャワーはつらい。
また灼熱の夏、クーラーがないとなかなか眠れない。事前にレビューなどでチェック。 - 旧市街にあるので、水回りに問題を抱えているところあり。シャワーの勢いが弱い、お湯がもたない、などは想定内。
モロッコのリアドは過渡期にあるのでは、と個人的には思います。
競争激化の中で、より良いサービスと品質のため、各リアドが特色をだして頑張っています。
中には思いがけないフレキシブルな対応に助けられたり、オーナーのおもてなしに心を打たれ
たりすることもあるでしょう。
有名リアドや高級リアドのインテリアは何度行ってもため息もの。
すてきなリアドに滞在すれば、忘れることのない貴重な体験になること請け合いです。
逆にいうと、だからこそリアド選びは慎重に!
日本の旅行会社または日系の旅行会社を通じての予約すれば、上記のポイントをクリアしているリアドを紹介してくれる場合が多いので安心。
もしくは、実際に泊まった方の体験談を聞く機会があれば、かなり参考になるはずです。
そして、人気のリアドは埋まるのもあっという間なので、お早目の予約がおすすめ!