4年ぶりのモロッコ・・・モロッコを楽しむ極意について思い出したのでシェア

カサブランカ港

見ると美しいカサブランカ、でも旅するにはタフさが求められます!

2018年に日本に戻り、2019年に数週間だけ人を案内するためにモロッコに戻りましたが、それ以降、どっぷりコロナ渦で人生で最もじっとしていた過去3年。

2019年からモロッコに一度も帰らず、ずっと地元の関西でじっと自らの国「日本」の今をいろいろと観察し、電車で30分の「京都」の濃ゆい独特の文化を探索したり、日本の歴史をかじったり、まるで外人のような目線で日本・日本人をいろいろと観察しつつしずかに(?)暮らしておりました。

そして、今回、4年ぶりにモロッコを訪問。到着初期から数週間を経た後の内面の変化が激しすぎて自分でも驚いた、のでここでシェアします。以前のわたしであれば、感情の激流になし崩し的に巻き込まれていた気がしますが、少しは成長したのか、またわたしの感情を説明してくれるわが人生の先輩(通称マラケシュのボスたち)のおかげで、今回はすこし遠いところから少し冷静に、自分の感情を扱えたような気がいたします。

4年ぶりの海外旅行、マレーシア、ドバイを経て到着したカサブランカでは、すごい交通量、クレイジーな運転模様におののき、昔はモロッコ人並みにやっていたはずの、車の間を縫うように歩行する技術をすっかり失い(笑)、街中で当惑。カサブランカ港(カサポート駅)から徒歩数分のメディナに滞在したためか、魚臭いにおいがそこら中に漂っており、さらにミモザ満開の時期にあたり猛烈にアレルギー反応。

鼻水が滝のように流れ、町の匂いも気になり、Royal Air MAROCでロスバケに遭うが、案内されたロスバケ対応電話はほぼつながらず、こんなはずで は?今回は来ない方がよかったのか?といきなりパンチを食らった感じでした。

ロスバケした荷物をカサブランカ3日目に受け取り、時間通りに発着する列車にゆられ(以前とはちがう!)マラケシュに着き、カサブランカよりもきれいで明るい雰囲気のマラケシュに心うきうきしながら、そこから30km離れた自宅へ向かうと…。

相変わらず家の前のオリーブ畑にいるロバ氏(他人の)

なんと旦那が半年以上前に食べ残したと思われるタジン鍋が台所に放置。テーブルには、プルーンの種やらパンのカスが放置、まるでついこないだまで誰かがいたかのような散らかりを目の当たりにし、旅の疲れも相まってか、心の中で何かがプチっと切れる。

なるべく冷静を努めたがそれでもやっぱり感情がでてしまい、夫への電話で「わたしは掃除しにモロッコの家に帰ってきたわけではないのよー!タジン鍋ぐらいは洗って日本に来てほしかった~」と言ってしまう。そして見事に逆切れされ、悶々となる。

しかし、ここで不貞腐れはいけない!と思い立ち(←ここが成長である、と自画自賛)、無駄に大きい家の屋上から地上階までを近所のおばちゃんに掃除してもらうように手配。その後、息子と手分けして溜まりに溜まっていた本などを仕分け、衣類なども人にあげられる物、そうでない物に分類。掃除しに帰ってきたわけではない、と言いつつ、やっぱり人間生きている限り、掃除とは離れられないな、という認識を改めてもつ。

掃除から解放されひとときのリフレッシュat ネクタロム庭園

この一連の出来事をマラケシュの日本人の素晴らしい奥さまが開いてくれた午後のお茶会で、みなさんに話すと、思いもよらないコメントが。

「日本から戻ってくる前にお掃除の人を頼んで、きれいな状態の家に帰れるように手配しておくべき」「タジン鍋そのままとか種落ちてるとか、モロッコ人なら当たり前」「掃除して家を出るなんて、そんなことをモロッコ人夫に期待すること自体がまちがっている」などなど。

その場には過去4年の日本滞在で自分の中では当たり前になっていた日本人間でよくある「そうだよね~」、「それは大変だったよねえ」、などという上っ面の共感の言葉は一切なし。みなさん、私より人生経験が豊かな大先輩方ではあるがコメントの主旨は、いかに私の物差しが間違っており、この国ではそれが当たり前さ、そんなことも忘れちゃったの~!?的な雰囲気に満ち満ちておりました。

これにて、開眼!(←単純)

先輩方からのお言葉で過去のモロッコ生活が一気にフラッシュバック、自分がいかに日本の物差しでものごとを見ていたのか、判断していたのか、を痛感。そして、反省。

日本とモロッコ、極東・極西に位置するこの2カ国の間で求められることがあまりに違うので、この4年間ですっかり忘れてしまっていたモロッコ生活の極意を思い出した次第でありました。その極意とは・・・

  • 心の柔軟性
  • その人の肩書やら見かけやら何やらをとっぱらって人間として人を見て、接すること
  • ものごとは予定通りに進まない社会なので、臨機応変にやること、変更を予測してものごとを執り行うべし

お茶会のあと、日本で硬直していた(だろう)私の心は、徐々に解きほずされ、楽になっていき、モロッコ人と同じように現在(いま)その時をそこにいる人と楽しめばいいのだ~という心もちになることができました。ほんとにいつも気づきをくれるマラケシュの先輩方(みなさん10年以上在住の強者さま)には感謝の気持ちしかございません。

そして、この気づきがあったからなのかどうかは不明ですが、このお茶会の翌週からお客様を9日間モロッコでご案内することになるのですが、全行程中、モロッコ人・日本人を含め、周りの人に助けられ、天候にも恵まれ、行く先々ですばらしい人との出会いがございまして、モロッコの魅力を改めて感じ、ふんわり幸せ気分で帰国することになったのでございました。(アーメン)

以上、この記事がモロッコに旅行される方の、助け・ヒントとなりましたら幸いです。