モロッコで生活すると、いつも同じようなスパイスの味がする油っこいモロッコ料理に疲れることが”よく”あります(タジン、クスクス、ガミラなにをとっても使用するスパイスはほぼ同じ)20代前半、数年海外にいましたが、1週間米を食べなくても、それほど日本食に飢える感じはなかった気がします(例えば、今日はパスタ、明日ピザ、明後日オムレツサンドイッチとか)。
しかし、四捨五入すると40才という年齢のせいなのか、今ではほぼ毎日、白米を炊き、1週間の半分は醤油や出汁の味のするご飯を食べないと気が済みません。特にコメが1日食べれないと、ああ、お米ちゃん~食べたいよ~と思うほどで、相当です。子供は、生きてきた時間ほとんどを日本で過ごしてきているのに、特に連日パン食、パスタでも問題ないようなので、ますます年齢のせいだと思ってしまいます。
で、そんな時、気分転換の外食にはぜったいモロッコ料理は選びません。
そして、自分でつくれちゃうパスタ系もパス。マラケシュの中華、タイ、ベトナム系は値段のわりに”おいしい”とは決して思えず、コストパフォーマンス的に疑問が残るのでパス。(あ、もちろん、Amanjenaなど1泊5-6万するようなホテルのアジア系料理はおいしいです、ハイ。味噌汁120DHらしいです…)
じゃあ、何がある?といえば、日本のランチ代ぐらいの予算で「おいしいー来て良かった~」と思えるレストランは数少ないのが実情か、と。
カサブランカ、ラバトなどは別の話しで、駐在員やら政府関係者の方々がたくさんいるので、中華も和食も、シーフード系もそれなりにおいしいところがあるのですが…。
メディナの中での外食はとくに迷います。500-700円といった手ごろなコギレイな観光客向けスナックレストランなどはいくつもあるのですが、食べてみたところで味のクオリティーに満足したことがあまりありません。それならば、いっそ庶民派食堂でモロッコ人のおっちゃんなどにまみれて紅一点で肉料理や豆料理を食べた方がいいのですが、時には、ちょっときれいなところでウェイターがサーブしてくれるところで食べたいと思うもの。
そんな気分にぴったりのレストランを見つけました。しかも、フナ広場からMellahにぬけるRiad Ziton el JdidとDouar Graouaの交差する広場にあるので、午前中Bahia宮殿を観光したあとに訪れることもできますし、逆パターンでも良し(食べてからBahia宮殿に行く)。
Riad Boussa(リアドブッサ)のオーナーBrighitte(マダムブリジット)のおすすめレストランでもあります。
料理はフレンチ、インターナショナルという感じで、おすすめは魚料理。クリームがかかったいかにもフレンチという感じですが、アルガンオイルが使われていてちゃんとほのかにモロッコテイストに仕上げてあります。私が食べたのはフランスではポピュラーな白身魚Saint Pierre(日本語マトウダイ)のムニエル。付け合わせのマッシュポテトも大変おいしく、全部平らげてしまいました。正直、サラダも頼みましたが、この1皿だけでお腹いっぱい。同行者はマトンの1皿(羊肉がこまかくスライスされて出てくるので、食べやすそう)、そしてステーキ。ステーキはなぜかトドラ渓谷を思わせるマッシュポテトの山がてんこもり。ちょっとモロッコ風を忘れないレストランでした。
メニューには、一部、ディナー時間帯には提供されない料理があると記載されていたので、やはりレストラン名”DÉJEUNER”(=ランチ)の通り、ランチ利用がおすすめだと思います。
予算はメインの魚料理肉料理が110DH-130DH、70DH前後でサンドイッチ、典型的なフレンチデザートが60DH~。その日は、各国からの観光客でテラスは大賑わい、盛況でした。
さいごにお恥ずかしいエピソード。
ドリンクリストにPommeというリンゴサイダーがないので、「ちょっと近くのハヌート(モロッコ版コンビニ)に行って買ってきてよ」と言ったら、モロッコ人ウェイターのお兄ちゃんが、驚いた顔をしていました。「僕は行ってもいいんだけど、オーナーから禁止されているから…」と。庶民派食堂に慣れてしまったTPOをわきまえない外人客でごめんなさい、困らせちゃったね、と心の中で謝りました…。以後気を付けないと、ですね。
レストラン:Un déjeuner a Marrakech