モロッコでどう生きるか考えさせられた、働き方と生き方は背中合わせという言葉

20160523_174513800_iOS.jpg

働くとは…一人でレストランを切り盛りする女性

モロッコに引っ越してきて、ふと気づけば、日本で会社員として働く母をしていた頃は、お付き合いすることのなかったような人々と知り合いになる機会が多い。
こちらに住んでる日本の方でもあるし、日本以外の国籍の人もですが、みなさんユニークな生き方をしていて当たり前だが、人ってほんとそれぞれだなあ、と感じています。


と、同時に、日本で自分が囲まれていた環境がいかに画一的だったのか、とtいうのを強烈に教えてくれます。マラケシュは特に、世界各国の人が旅行に来る町。そして、これはマラケシュに限ったことではないですが、モロッコにいると働く人の姿を毎日、日常的に目にします。これは住んでいた時には気がつかなかったことですが、2023年春に4年ぶりにモロッコに帰った後に、日本で友人と話しをしていた時に気がついたことです、詳しくは、別記事にて。

ここ10数年、マラケシュに惹かれて移住する外国人は膨らむ一方な気がします
(先日も、長年イギリスに住んでいる方で拠点をマラケシュに移された日本人女性に会いました)。
さまざまなバックグランドをもった人々が、それぞれに面白い仕事を生み出し、その相乗効果でマラケシュがますますエキサイティングな町になってきている…。
手工芸の伝統がいまだにしっかり残る町という一面と、新しいプロジェクトがわんさか稼働中の町という別の顔をもつマラケシュ。歴史をみれば、ブラックアフリカ、サハラ、地中海ヨーロッパの人と物がまじりあい交差する町だったマラケシュ。その懐の大きさは、なんだか底がないような気がします。

ここにすむ外国人のほとんどが自営業者。自分がボス、仕事は自分で作るor見つける方々がほとんど。
みなさん仕事を通して、生き生きしています。
やらされている感なんて微塵もない。やることすべてに「自分」が感じられる。そういう仕事をしていると思う。
そんな方たちは、会うたびに刺激を受けたり、いい気持ちになるのですが、では、さて、モロッコで自分は何の仕事をして生きようか?と考えることもしばしば。

そんななか、貴重な本を読む機会を頂きました。モロッコに来てうっすらと感じ始めた何かをこの本の著者が明らかにしてくれた気がして、読み終わった後興奮が止まらない…。
自分をいかして生きる

気になった文章を抜粋で。。。
「人間は生命と呼ばれるものの一形態で、生命力とは”よりよく生きる”ことを求めて発現する力を指す。」
著者はテレビのドキュメンタリー番組で植木等さんが”自分はいま60才を過ぎて、これから何をして生きて行ったらいいか、わからないんだよね”
と語ったことについて愕然としたと同時に、こう述べている。

「死ぬ瞬間まで”自分をどういかして生きてゆくか”という課題から誰もおりることはできない。
人生にあがりはないんだ。」

また、若い子に、私美容師になりたいんです、と言われたときに思ったこととして、

「言ってしまえば、彼女は美容師になりたいわけでも野球選手になりたいわけでもなく、”自分”になりたい。より”自分”になる仕事をさがしている。働くことを通じて”これが私です”と示せるような、そんな媒体になる仕事を求めているんじゃないか。何がしたいということより、それを通じてどんな自分でいたい、とかどう在りたいということの方が、本人の願いの中心に近いんじゃないかと思う」

その中で真夜中の交通整理をしていた、あるおじさんの誠実な礼儀正しさに心を打たれたときや、隅々まで
手の入った庭え足を踏み入れた瞬間の、はっとする気持ちを例にあげて、

「最終的に価値を持つかは、その仕事を自分はどうやったか、その人とどんな関係性を育んだか、ということだけだ。
そう考えると職業も仕事もある意味なんでも構わなくて、力を発揮するきっかけにすぎないようにも思える。
それを通じてありたいようにあれるのならば。」と言っている。

本では何人かの方に働き方についてインタビューしてあるのですが、中でも面白いのが、ソニーのデザイナーとしてユニークなブラウン管テレビをデザインし、その後、フィアット社のカーデザイナー、ジブリ美術館のスピーカー開発、出張そば打ちを経て、いまは蕎麦屋をしている加藤晴之さんのことば。

「まずは自分を丸ごと投入して働いて、やってみて、その中で感じたり考えてゆけばいいはずだ。上手くできなくても
さまになっていなくていいから、今できること、力がでることをどんどんやってゆけばいいのだと思う。」

「今どうしたいか、ということ。それをやってゆくと何かみつかってくるんじゃないか?僕はそうやってきたと思うんです。いつだって自分の思うようになっていない。でも、その瞬間瞬間、いちばん自分ができること、やれることをやっていくと次のドアが待っていたり、開いたりしてきた」


そして、著者のとても分かりやすいこの言葉。


「なにが流行っているとか儲かるとか、このように生きるべきといった外側の指標ではなく、自分の中の葛藤。”ざわざわする”ところ。”お客さんではすまない部分”、”好き”よりさらに前の感覚的なもの。を追っていけばいいのでは」


最後に、こんな会社おもしろいだろうなあ、と思った漫画家いがらし みきおさん事務所にある社是。
1.なんでもやる
1.どにかくやる
1.ほっといてくれ(笑)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする