マラケシュでゼッリージタイルさがし

田舎で家を作っている旦那に、台所のタイルをどうするか?と聞かれ、いやあ、そりゃ、モロッコにいるんだから伝統のゼッリージタイルをつかってみたい!と言ってみました。

下記は私のイメージにぴったりの写真。

ゼッリージタイル台所例

引用元http://bleucolette.tumblr.com/post/140919490561

ゼイリジ(zellij)というのはフェズで昔から伝わる素焼きにしたタイルを削りながらはめ込み、壁や中庭を飾るタイルを言います。タイルそのものを指すこともあります。今住んでいる所ではzellij工房を見たことがないので、現場を離れることのできない彼をおいて、一人マラケシュまででてきました。

手がかりは、友人からマラケシュ旧市街のハミス地区にゼイリジ職人が集まっている界隈がある、と教わったこと。バブハミス付近で2,3人に聞いてみるも、Ain Atti?まで行かないといけんよ、ということで、そこまで足をのばす時間がなかったのであきらめていると、たまたま聞いたハヌート(万事屋)の若者が意外に親切で、「この辺のことに詳しい人がいるから、そいつをよぶから待ってろ。」というので、たいして期待もせずに待っていると、向かいの散髪屋から出てきたのは30才ぐらいのきちんとした感じの男性。

メクネスの伝統的ゼッリージタイル

wikipediaより引用、メクネスの伝統的ゼッリージタイル

しばらく考えた後、「ああ、それならこのあたりに1軒あるよ」といいます。

ハミスのあたりはうろうろしていたことがあったのですが、一度も見かけたことがなかったので、半信半疑で付いていくと、キッサリアとよばれるさびれた商店街の半地下に隠れるように工房がありました。これは誰も分からないほどの、隠れ家のようです。職人が日光の入らない部屋で4,5人もくもくと石をトントン金槌で削っています。

そして、目当ての10CMx10CMのゼッリージタイルと、その色味表もあるではありませんか!

希望の色がずばりありました!8㎝x8cm

希望の色がずばりありました!8㎝x8cm

好きな色を指定すれば翌日には用意しといてやる、との事。ですが、やはりゼッリージタイルを張るには専門の職人がいた方が良いようで、その点がひっかかり、オーダーはしなかったのですが、親切にゼッリージタイルの見本を1枚頂いて帰りました。工房の頭領はやはりフェズ出身の男性でした。

職人さん、突然のアジア人女性の登場と、それが片言のアラビア語を喋るという事でかなり愉快そうにしていましたが、感じがよく、一生懸命、言葉つたない私に、「こうやって削って別の一枚とかみ合わせて貼り付けていくんだよ~」と実践して見せてくれました。

そして、15分ぐらいずっと職人と私のあいだに入ってやりとりを手伝ってくれた道案内の男性に、どうしようか、と迷いましたが、感謝の気持ちが十分にあったので、チップを渡そうとすると、「それは受け取れない。」とさわやかに拒否され…。

何年いてもよくわからない、このひとにはチップを払うべきか?

払わずにいて、なんだあいつは?と思われるのは避けたい。

いや、純粋な親切心での行為なのだからお金を出すのはかえって失礼だ、という気持ちの葛藤。

彼の親切にたいしてお金を見せてしまったわたし、しかし、出さずに言葉で礼を告げるだけでよかったのか、一応お金をはらうだけ価値のあることをしてくれたという意思表示をしたのだから、失礼にはあたらないと思うことにします。

このあたり、まだまだ難しいです。

(ゼッリージタイルが職人が集まっているのはAin Attiという地区です)

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