ネクタロームの生産スタイルはモロッコのベルベル村のリズム…です。。。

ふだん、モロッコに関りのない多くの日本人にとってはNectarome”ネクタローム”はまだまだ馴染みがないブランドだと思います。

Nectaromeギフトボックス

マラケシュから38km のウリカ村で作られている木箱、きちんとブランド名入ってます。

ですが、モロッコ国内でネクタロームといえば、良質なオイルプロデューサー、特にアルガンオイルで有名なブランドです。こちらに住んでいると、最近のネクタロームはマーケティングに力を入れているなあと実感します。

マラケシュで最高級と称されるホテル(Royal Mansour)とタイアップしてカタログを作り、パッケージも以前のそぼくな雰囲気のものから、よりスタイリッシュなものに新装、オンラインショップサイトも稼働し始め、直営店は高級ブティークのような洗練された空間に改装されました。

MENARA MALLネクタローム直営店写真

Nectarome直営店(メナラモール)

そんななか、商品を作っているウリカ(ourika)のビオガーデンに足を運ぶと、そこには最近のネクタロームの動きとは相反した、相変わらずのゆる~い時間が流れていました。

そして、このゆったりした空気が流れる場所に足を運ぶたびに、モロッコに住みながらも日本人的感覚で、「すぐに、すぐに!」「お客さんをお待たせするのは悪い・・・」と急いてものごとを考えてしまう自分の性分を恨めしく思います。

よく考えれば、ウリカというのは、マラケシュから38Km離れた、ネクタロームが事務所を抱えるマラケシュ市内とは別世界のベルベルの村です。

ネクタロ―ム工場のあるウリカ

ネクタロームの生産拠点近くの大通りで。communeというのは自治体の最小単位ですから、日本語では”村”かな

モロッコの村では今でも週1回開催される市場(スークとよびます)が近隣の人にとっては重要イベントであり、ボロボロのトラックやこれでもか!?と荷物を積んだ馬、ロバがひく荷馬車で市場近隣は埋まります。そして、馬やピックアップトラックで乗り付けてくる村人たち。スークで見かけるのはほとんど男性、多くがジュラバや伝統衣装姿です。

ウリカの市場もこういった様子を見せており、ネクタロームの生産現場で働くスタッフも、この環境で育ったウリカ出身のベルベル人たちです。

こないだネクタロームガーデンを訪れるとみぞれが。

ネクタロームのビオガーデンに行くと、フロントラインにでてくる女性スタッフが、英語/仏語/アラビア語/ベルベル語を操るので、つい、町の人的感覚(急くという意味で)が分かるという前提で話してしまうのですが、ところがどっこい、やはり感覚は優雅なものです。

ゆったり、のんびりと、オーダーが入るたびに、ナチュラルオイルを生産し、ボトル詰め、ラベル貼りしています…。

(主力製品であるアルガンオイルの在庫はいくつかおいてあるのですが、それ以外のマッサージオイル、アルガン以外のナチュラルオイルは受注生産しています。)

そして、事あるごとに、「私たちは大手コスメメーカーとは違うのよ、ほとんどの過程を人間の手で行っていて、時間もかかるし、新鮮さにこだわるからストックはなるべく置きたくない。」担当の女性からいわれます。

ネクタロームガーデンの庭師のおじいさん

ベルベル村を代表するような素朴な笑顔のネクタロームガーデンの庭師のおじいさん

日本だったら、メーカー側が消費者のニーズに合わせるべき、という考えが強いと思うのですが、ネクタロームをより良く知るようになると、メーカーのポリシーに敬意を払い、賛同するからこそ、その製品を愛用する、というスタンスに徐々に代わってきました。

Nectarome(ネクタローム)の新しいギフトボックス

Nectarome(ネクタローム)の新しいギフトボックスもウリカの職人さん手作りです

というわけで、通常はサンプル製品のストックもおかないネクタロームですので、細かい要求にはお答えできかねることもあるかもしません。

ですが、オイルの新しさにこだわり、アトラス山の中腹でまだまだ伝統を色濃く残すベルベル村の雇用確保、創出の場所にもなっているビオガーデンで丁寧に製品を作っています。

ネクタロームの1本のアルガンオイルの背後に何人のモロッコ人の手が関わっているか、その辺りに一瞬でも思いを馳せていただければ幸いです。

秋らしい色でとれたNECTAROMEガーデンのメインゲート

いつ来てもゆったりした時が流れるNectaromeガーデン

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