通称ブラッククミンオイル、ラテン語でNigella Sativa(ナイジャラサティバ)、日本ではニゲラオイルとよばれることの多い(和名ニオイクロタネソウ)個性的な匂いのするオイルをご存じですか?これ、写真のような真っ黒なゴマみたいな種を抽出したものです。
わたしはモロッコの庶民的な市場のスパイス屋の店先で何度か見かけ、なにに使うのだろう?と疑問に思っていましたが、そのまま追求せず放置していました。
地元のスークのおじさんとスムーズに会話ができるわけではなく(ベルベル語です)、かといって英語が話せる観光客向けスパイス屋ほど客引きがしつこいところもないので、店員にたずねる事はなんとなく避けていました。
実は、これ、中東、とくにイスラム教の世界では、たいそう重宝されている種なのです。
アラビア語で”ハッバ・エルバラカ”(habat al baraka)→”神の加護をうけた種”とよばれ、預言者モハマドが”死以外の病を治す”とコメントしたほどに、また旧約聖書にも登場するほど歴史があるもので、歴史書にも効能が謳われています。
この黒い粒粒のすごさを知ったのは、鏡のフレームを作ってもらっていた鍛冶屋の工房で、「ちょっと、おじさん注文してたものできた?えっ、できてない?じゃあ、いつ?」みたいな会話の流れで、何気なく風邪気味で鼻が詰まるということを伝えた日。
そのひげもじゃおじさんはどこからともなく、小さい瓶をだしてきて、例の黒い粒粒をスリコギのようなものですりつぶし始め、それを真っ白いガーゼ生地に包み、これを鼻でかげ!というジェスチャーをします。
何が何だか分からんないという感じでとりあえず嗅いでいると、ハッカ飴を食べたあとのような、清涼感が。む、む、鼻がスッキリしてる。な、なんだこれ?薬局行かなくても、速攻で効く!と驚いたのがきっかけ。
この出来事を自宅で家人に話すと、うん、そうだねえ、効くっていうよねえ、という冷静コメント。私は、「なに?」「この粒粒の力はモロッコ人には当たり前に知られているんだ、すごい!」としばし一人で興奮していたのを覚えています。
その後いろいろ調べてみると、このナイジャラサティバ、別名ブラッククミン、ほんとに色んなことに良いらしく、オイルは外用しても内服しても良し!
そして、モロッコには(中東には)ブラッククミン入石鹸やらブラッククミンが配合されているものが巷に溢れているんだと気づきました。
古い歴史書の中でも称えられてきたこの種、40年ほど前から世界中で医学的に研究され、ドイツはミュンヘンの研究所で当時の最新機器を用いてテストした結果、健康を増進する効能があると認められています。
具体的には、細胞の免疫力向上が見られた、とのこと。
以下、使い方を載せますね。
※当ホームページに記載している情報は、自己責任においてご活用ください。
- 頭痛に:オイルを頭部に塗ってマッサージする
- 歯痛:朝、空腹時に歯茎と歯のさかいにオイルを塗る
- 不眠症:オイル大1を温めたミルクと混ぜて蜂蜜を加えて飲む
- 喘息:桶にはったお湯にオイルを数滴いれて、その蒸気を朝、晩に吸入する。就寝前に、胸部と首にオイルを塗り、マッサージする。呼吸器系には特に良いのでオイルをたっぷり塗るのがおすすめ。
- 高血圧:温かい飲み物にオイルをいれて飲む
- お腹の膨張感、おなら過多:コーヒーか紅茶に2,3滴のオイルをいれて飲む
- 浄化作用を得たい:植物性オイル(アルガンオイル、オリーブオイル、スイートアーモンドオイルなどと混ぜてマッサージオイルとして利用する)
- 抜け毛が気になる:オイルを頭皮からマッサージし、毛先まで延ばす
- いぼ:朝、晩、部位にオイルを塗る、その度に軽くマッサージする(2週間ほど続ける)
- 記憶力向上:ミントのハーブティーにオイル小さじ1と蜂蜜をいれて飲む
- 疲労回復:オレンジジュースにオイル大さじ1を混ぜたものを朝に飲み、他のものは飲まない、食べない生活を10日間続ける(かなり危険では??と思うので、自己責任でお願い致します)